患者満足度の向上を考えていますか?

患者満足向上の取り組みとは。
患者満足度の取り組みが診療所の将来を決めるといっても過言ではありません。診療所の患者満足度はコア・サービスを担う医師のスキルや見識が最も大きな要因ですが、スタッフのサブ・サービスやコンティンジェント・サービス(臨機応変の対応)によって上下するといわれています。医師の対応が最も重要ですが、その技量に大きな違いがなければスタッフや設備などの差ということになるのです。
医療業界は「情報の非対称性」が最も大きい業界の一つと言われています。「情報の非対称性」を簡単に言うと医師と患者では医療の知識に関して、大きな差があり、患者には、医師の治療に対して、良し悪しの判断ができる知識はないのです。医師の中では、優れた技量を持つ先生と評価されても、それが一般の患者に分かるかというとそうではありません。従って、患者は医師の技量にあまり大きな差がないと感じやすく、スタッフや設備などの差ということになりやすいのです。
患者満足度の差は、患者のリピート率の差となり、近隣の診療所との来院患者数の差となって現れ、シェアに大きな差をもたらします。いつも患者が多い診療所と少ない診療所ができてきます。このメカニズムについては、「診療所のシェアは何で決まるのか」に詳しく論述していますのでご参照ください。
また、患者満足度の向上にはサービスの(質の)向上が不可欠です。診療所では、医師、スタッフ、建物や設備、そして待ち時間や在院時間の対策が重要です。そのヒントも記載しています。
従業員の満足度向上の取り組みが患者満足度の向上に
医師の技量や対応に大きな差がない場合、手術の設備や検査の機械装置などによっても左右されますが、スタッフの対応が次に大きな要因になってきます。従って、それぞれの部署を担当しているスタッフが患者にどのように接しているか、が決め手になります。しかし、その重要性をスタッフに伝えるだけでは、スタッフは分かってはいても何をしてよいのかわかりません。また、いつも多忙であれば、対応したいけどそれどころではないということになります。やはり、患者満足度を向上するには、スタッフの働きやすい環境を整えることが必要になります。
待ち時間や在院時間の短縮・改善は、患者満足度の向上だけでなく、医師や従業員のストレスをも軽減し、職場の環境改善につながります。これらについては、「なぜ待ち時間ができるのか」、「待ち時間や在院時間の改善方法」、「改善事例」などをご参照ください。

待ち時間や在院時間の改善は、患者満足度の向上だけでなく従業員満足度の向上につながります
待ち時間や在院時間の改善は患者の満足度だけでなく、従業員の職場環境も改善します。待ち時間や在院時間の改善は、スタッフに押し付けたりお願いして、できるものではありません。しかし、実は、診療所にとって、これらの対策は、最も取り組みやすく効果的で、大きな患者満足度向上につながります。